診療室からのメッセージ
顔の皮膚がん、シミやイボ、赤ら顔
- 中央図書館前 皮ふ科
院長
佐藤 一正氏 - 北海道医療大学薬学部卒業。旭川医科大学医学部卒業。北海道大学病院、JR札幌病院、たけだ皮膚科スキンケアクリニックほか勤務を経て、2023年5月16日開院。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
顔にはがんをはじめ、さまざまなできものが現れますが、過度に心配する必要はありません。多くの場合は良性の腫瘍や加齢によるシミです
顔には多種多様なできものが生じ、
なかには皮膚がんが生じることも
顔は体の中でも皮膚がんが好発する部位の一つと言えます。皮膚がんと言っても種類は多く、有名なものでは悪性黒色腫(メラノーマ)があります。それ以外にも基底細胞がん、有棘細胞がんなど多くの種類のがんがあります。これらは加齢にともなって発症が増えるものが多いのですが、長年の紫外線によるものや熱傷後の皮膚に生じるものもあります。これらを診断・鑑別するためには腫瘍の成長スピードや色・形状、ダーモスコピー(特殊なレンズ)で見たときの特徴などが必要となります。
しかし、それだけで腫瘍を診断することは難しく、大まかに「これは大丈夫」「経過観察が必要(どのように変化するか)」「悪性の可能性がある」の3つに絞ることしかできません。悪性か良性かを含めた確定診断は、腫瘍を切除して病理検査を行うことが必要となります。腫瘍の切除や病理診断が必要な場合、大学病院などの基幹病院にご紹介することが多く、そちらで精査を行っていきます。私たちクリニックの皮膚科専門医の役割としては、切除する前の段階で区分けをなるべく正確に行うことであると考え、日々の診療を行っています。
顔のできものを治療することで、
見た目を改善することも重要
上記を読んで不安になった方もいるかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。実際に悪性腫瘍が生じる可能性は高くないため、多くの場合は良性の腫瘍や加齢によるシミです。よくある良性の腫瘍としては、脂漏性角化症や脂腺増殖症、扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)などがあります。これらは放置していても問題ありませんが、サイズが大きいものや盛り上がりが目立つものは、希望に応じて治療を行います。保険診療で改善できるものも多いため、一度相談いただければと思います。
一方、加齢にともなう「シミ」に関しては、保険治療では改善できるものがなく、自費診療となります。当院ではシミを改善するレーザーやクリームを用意しており、「シミがなくなった」「シミが目立たなくなった」とのお声をいただいております。なお、「シミ」と一言で言っても上記のような皮膚がんのほか、「肝斑」や「色素沈着」が混在している場合もあります。「肝斑」や「色素沈着」は、皮膚の摩擦や紫外線により生じる褐色斑であり、加齢により生じる「シミ」とはやや成因が異なります。「肝斑」や「色素沈着」に「シミ」の治療を行っても効果がみられないばかりか、悪化することもあります。
これらをできる限り鑑別し、個々にあった治療をすることがとても大事です。実際に来院いただいた患者さんで、「シミ」「ほくろ」「イボ」などの区別がまったくできておられないまま、他院で治療をされている方もいらっしゃいました。たかがシミと思わず、皮膚科専門医のいるクリニックで診察、治療することを勧めたいと思います。
また、シミとは別の話になりますが、当院には「赤ら顔」に悩んでいる患者さんも多く受診されます。「赤ら顔」は主に肌表面の毛細血管拡張が原因の場合が多く、入浴後や運動後に赤みが顕著に出やすいのが特徴です。このような症状は治療に難渋することが多いのですが、当院では漢方薬にて顔の熱をとったり、血流の滞りを改善したりする治療を行います。それらの治療でも改善が乏しいようであれば、毛細血管を収縮・破壊するレーザーや光治療が効果的です(自費診療)。「赤ら顔」には毛細血管拡張だけでなく、アトピー性皮膚炎のような湿疹によるものや「酒さ」という皮膚疾患によるものもみられ、それらが重なっている場合もあります。そのため、それぞれを診断し、その時の肌状態に合った治療を行っていくことがとても重要です。

