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白内障

医師画像
札幌ひかげ眼科・
目もとの美容外科クリニック
院長
日景 史人
札幌医科大学医学部卒業。2016年アメリカミシガン大学留学。札幌医科大学眼科准教授、同大学附属病院眼科病院教授を経て、24年に開院。医学博士

白内障手術は、低侵襲かつ日帰りで受けられる安全安心な手術。視力の低下や光がまぶしいなど、見え方に不自由さを感じたら早めに眼科の受診を

誰にでも起こり得る目の病気
不自由さを感じたら早めに相談を

 白内障は、目の中にある水晶体という、カメラで言えばレンズの役割を担っている部分が濁ってしまう病気です。加齢にともなって起こる白内障は基本的に誰にでも起こり得る病気で、突然に発症するものではありませんが、60歳を超えると少なからず水晶体に濁りが生じ始めます。ただし、白内障は徐々に進行するため、その見え方に慣れてしまい、ある程度進行しても不自由なく暮らしている方も少なくありません。
 症状として一番多いのは視力の低下で、次いで光が水晶体の濁りに反射してまぶしく感じるというものです。このほか意外と気づきにくいのが夜間の視力低下で、日中の視力は良くても、夜になると見えづらさを感じるのも特徴の一つと言えます。
 治療は、症状が軽ければ白内障の進行を少し遅らせる目薬があり、1日4回の点眼治療を行います。手術適応になるのは、車を運転する方であれば、矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを使用した状態で測定した視力)で0・7を切るというのが一つの目安になります。車の運転をされない方では、不自由さを感じたら手術を選択するのが一般的です。
 手術は、超音波で濁った水晶体を砕いて吸い取り、その後に人工の眼内レンズを入れて終了です。以前は、入院手術が多かったのですが、今はほとんどが日帰り手術で行われています。手術自体は点眼麻酔で、片目で10分前後で終えられるのが一般的であると思います。特に当院は遠方から受診される患者さんも多く、通院の事情によって希望される患者さんには両目の同時手術を行うこともありますが、両目を同時に手術すると、その日は少し見えづらかったりすることもあるため、より安心安全な手術を行うためにも、できる限り片目ずつの手術をお勧めしています。

最先端技術と豊富な人工レンズで
裸眼視力の追求を重視

 人工眼内レンズも、保険適用の単焦点眼内レンズから、手術費は保険適用で人工レンズは自由診療となる選定療養による多焦点眼内レンズまで、選べる種類が増えてきています。さらに多焦点眼内レンズだけでも、遠方・中間・近方の3点にピントが合う3焦点レンズや、これまで3焦点レンズの弱点であった夜間のライトのまぶしさを解消してくれる焦点深度拡張レンズなども登場しており、さらに選択肢は増えてきています。いずれにしても、手術後に裸眼でどこを見たいのか、どこの見やすさを重視するかが大事になりますので、詳しくは視能訓練士や眼科医と相談し、ご自身のライフスタイルに合ったレンズを選ぶと良いでしょう。
 従来の白内障手術は、矯正視力を上げることが重視されていましたが、現在では裸眼視力を追求することが重視され、小さな傷で患者さんの負担も少なく、術後の回復も早く、手術によって起こり得る乱視(惹起乱視)の発症も抑えられる手術が増えています。特に当院では、裸眼視力の追求に力を入れており、保険診療か自由診療かを問わず、ほぼ全例で乱視を矯正するレンズを使用しています。また、単焦点眼内レンズにもさまざまな種類があり、遠方から中間距離までも見やすくなるような特殊なレンズも扱っています。さらに、より適切な人工レンズの挿入のため、札幌市内でも数少ない最先端の手術支援システム「ORA(オラ)システム」を導入し、術前の人工レンズの検査予測値と、術中にリアルタイムに測定した検査値の両方から最適な人工レンズの度数の確定や、矯正する乱視軸の調整も行っています。
 最後に、白内障手術に不安を抱いている方は少なくありません。しかし手術自体は痛みもほとんどありませんし、術後1週間は安静と清潔を保ち、点眼などの注意事項を守っていただければより快適に暮らせる見え方を手に入れられますので、安心して受けていただきたいと思います。

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