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老年症候群

医師画像
つかはら内科クリニック
院長
塚原 大輔
2002年杏林大学医学部卒業。杏林大学付属病院ほか勤務、登別厚生病院(現JCHO登別病院)内科部長を経て、20年10月5日開院。日本老年医学会老年病指導医。日本東洋医学会漢方専門医

加齢による変化も含まれるため避けて通ることはできない。しかし、個々の疾患を悪化させないためにもフレイル予防が大切

いくつかの疾患が重なり合い、互いに
良い影響を与えていない一連の状態

 老年症候群とは高齢者に多く見られ原因はさまざまですが、治療と同時に介護・ケアが重要になる一連の症状・所見を指します。
 具体的には、高齢者が最も日常生活動作の低下を来す疾患の一つである大腿骨骨折があります。高齢者の場合、内服の影響や脳内疾患の影響で転倒しやすく、骨粗しょう症を患っていると骨折もしやすい、その後もフレイル(虚弱とも言います)などがあり、起き上がるのが困難になるといった具合です。症候群ですので、個々の疾患を指すのではなく、いくつかの疾患が重なり合いお互いに良い影響を与えていない一連の状態を指すと考えてください。
 老年症候群は大きく3つに分類されます。①主に急性疾患に付随する疾患で、若い方と同じくらいの頻度で起きるが、対処方法は高齢者において工夫が必要な症候群、②主に慢性疾患に付随する疾患で65歳前後の高齢者から徐々に増加する症候群、③後期高齢者に急増する疾患で日常生活動作の低下と密接な関連をもち介護が重要な一連の症候群(老年医学テキスト 社団法人日本老年医学会編より抜粋)
 ①は胃腸障害や頭痛・めまいといった若年でも比較的起こりやすい疾患が挙げられますが、高齢者ですと多剤の問題や血圧の不安定さで同様の症状が起こることがあり、若年者とは違った原因究明が必要となります。②は認知症や関節変形、体重減少、むくみといった65歳以上の方に生じやすい疾患です。このような疾患は老化の影響が大きく、また若いころからの疾患(高血圧・脂質異常症・糖尿病など)が悪化することで罹患します。したがって、薬剤の見直しや生活習慣の是正がより必要になってきます。③は骨粗しょう症・嚥下困難・うつ・難聴・椎体骨折・大腿骨骨折・認知症などといった日常生活動作に直結し、罹患すれば大部分において介護が必要になる疾患です。高齢者に特に多い疾患群であり、早めに転倒予防策を家の中でも行ったり、デイサービスなどを導入し、リハビリテーションを行うなど罹患しないための工夫が必要になってきます。特に脳血管障害・認知症・大腿骨骨折は高齢者の日常生活動作を最も落としてしまう3疾患であり、早期からの予防が不可欠です。

老年症候群による疾患を悪化させない
ためには、フレイルの予防が重要

 フレイルとは年齢を重ねるにともない、さまざまな要因から心身ともに衰えている状態を言います。予防するためには生活習慣の見直しが良いかと思います。第一に運動です。軽い体操や散歩など毎日できる運動がお勧めです。基礎疾患のある方は主治医に相談ください。
 次に食習慣です。まずはしっかり噛むことから始めてください。歯や歯茎に不安がある方は早めに歯科医院にご相談を。フレイルの予防にはタンパク質摂取が必要です。1食でたくさん食べるのではなく、3食均等に摂取することが大事です。腎疾患などのない方であれば、1食100g程度の肉や魚を取るのが良いかと思います(植物性も含めタンパク質20g)。また、ビタミンDを多く含む食物(鮭、青魚など)は骨の軟化を防ぎ、転倒予防の効果があります。
 最後に社会参加です。北海道は冬に出かけていくのが難しい方もいらっしゃいますが、インターネット環境が整っている方はパソコンやスマートフォンなどでご家族やご友人との会話を楽しむのはいかがでしょうか。機械類が苦手という方も電話などでの会話だけでも気分転換となります。そして、困ったときに相談できる方を見つけておきましょう。
 老年症候群、そしてフレイルの予防のお話をさせていただきました。一般的なお話でしたので個人差があり、一概に当てはまらないこともあるかと思います。その際にはクリニックにご相談ください。

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