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下肢静脈瘤

医師画像
AMSきしクリニック札幌
院長
岸 宗佑
日本内科学会認定医・指導医。日本病院総合診療医学会認定総合診療医・指導医・評議員ほか。医学博士

足の静脈弁が壊れることで血管がコブのようになる病気。女性に多く「足がむくむ、だるい」が発症のサイン。専門医への受診がお勧め

40歳以上の日本人の約9%にあたり、
出産経験のある女性の2人に1人が発症

 下肢静脈瘤は足の血管の病気で、血管(静脈)が文字通りコブのように膨らんだ状態のことを言います。足のだるさ、むくみなどの症状が慢性的に起こり、生活の質を低下させます。まれに湿疹ができたり、皮膚が破れる潰瘍ができ重症になることがあります。40歳以上の女性に多く認められ、年齢と共に増加していきます。患者数は1000万人以上といわれており、出産経験のある女性の2人に1人が発症する身近な病気です。罹患しやすい方やタイプとして、「高齢者」「長時間の立ち仕事」「妊娠・出産経験」「肥満」「運動不足」などがあります。「遺伝的要因」も挙げられており、ご家族に下肢静脈瘤がある方は注意が必要です。
 下肢静脈瘤は悪性の病気ではありませんが進行性の病気であり、自然に治ることはありません。患者さんの仕事や生活状況を踏まえ、入院治療、日帰り治療のどちらを選択するか、どのような検査、治療をするか専門医が検討する必要があります。
 検査としては、採血検査とエコー(超音波)検査を行います。特にエコー検査が非常に重要なため、当院では3台のエコー機にて検査処置を行っています。また、大腿だけでなく、陰部静脈瘤を疑うときにはCT検査が必要な場合もあります。そうした原因を精査することが必要です。

治療法それぞれにメリットと注意点
医師に最適な治療法の相談を

 下肢静脈瘤の治療には、主に以下の5つがあります。侵襲度合いが高い(痛みが強い)順番に記載すると、ストリッピング手術、血管内焼灼術、グルー治療(血管内塞栓術)、硬化療法、保存的治療(弾性ストッキング)となります。それぞれの治療には、メリットと注意点があります。静脈瘤の状態や患者さんの状況により専門医は治療方針を選択して行います。
 昔から行われてきた「血管内焼灼術」は、血管内に高周波やレーザーを用いて血管内を文字通り、熱を加えて焼くことで治療を行います。デメリットとしては、熱を用いるため、やけどや神経障害のリスクがございます。このような合併症を予防するために血管周囲に薄めた麻酔薬を注射して手術を行います。術後は弾性ストッキングを装着し、重労働の仕事や長時間の立ち仕事、スポーツなどは、1週間はできず、安静に1週間は様子を見ていただきます。
 数年前から日本国内でも保険診療で可能となった、新しい方法としては、グルー治療(血管内塞栓術)がございます。血管内治療の一つであり、手術としては、血管内に細いカテーテルを入れ、下肢静脈瘤治療用に開発された接着剤をカテーテルから静脈内に注入していくことで、コブ状に拡張した血管を閉塞する治療法です。熱をともなわない治療であり、やけどや神経障害のリスクがなく、血管周囲に薄めた麻酔を打つ必要もないため、手術時間も短く、患者さんへの負担が少ない治療です。治療後も、歩行して帰宅可能で、翌日から仕事に行くことができ、弾性ストッキングの着用も不要です。デメリットとしては、接着剤のアレルギーがある方には行うことができません。
 グルー治療を保険診療で行うためには、さまざまな基準を満たした医療機関である必要があります。下肢静脈瘤の治療実績が学会で認められていること。手術を行う医師が脈管学会などの専門医の資格を有していること。グルー治療経験が多数あり、専門学会に実施医や指導医として認められている医師の在籍が挙げられます。
 当院では、CVポートなどの血管内治療を専門としており、「グルー治療」をメインにした下肢静脈瘤治療を行っております。血管の状態によっては、グルー治療が適さない場合もあり、専門医による診察と検査が必要です。血管外科や下肢静脈瘤の専門外来を開設している医療機関の受診をご検討ください。

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