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帯状疱疹

医師画像
もりうち皮膚科医院
院長
守内 玲寧
2001年札幌医科大学卒業。内科で研修後、04年に北海道大学皮膚科学教室入局。市立札幌病院皮膚科副医長を経て、18年12月開院。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。医学博士

免疫力の低下や加齢によって、体内に潜伏する水ぼうそう・帯状疱疹ウイルスが再活性化して発症する帯状疱疹。ワクチン接種で免疫力を高めて効果的な予防を

帯状疱疹の発症原因は
水ぼうそうと同じウイルス

 帯状疱疹を知っている方は多いと思いますし、すでにかかったことがある方もいらっしゃるでしょう。最近はテレビCMなどでもワクチンの宣伝が流れるようになり、認知度が一層高まっています。
 まず、どのように帯状疱疹が生じるかを説明します。始まりは水ぼうそうです。水ぼうそう・帯状疱疹ウイルス(VZV)に初めて感染すると水ぼうそうになります。水ぼうそう自体は治るのですが、このVZVは全滅せず脊髄の横にある神経節というところに残留部隊が残ってしまいます。この状態は一生続き、この残留部隊が目を覚まして神経を伝って増殖すると、その神経に沿って痛みやぶつぶつが生じます。これが帯状疱疹で、免疫力が下がってくる50歳代以降に起きることが多いようです。
 水ぼうそうにかかったことがある方は、体内に潜伏するVZVを免疫力で抑えつけて、復活させないようにしているわけですが、加齢のほか、免疫力を下げる大きなストレス(手術や抗がん剤投与など)を受けると、この抑えつける力が弱まり、VZVが目を覚まし帯状疱疹を発症すると考えられます。ただし健康な若い方が発症する場合もあり、すべてが解明されているわけではありません。
 加えて、2014年から乳幼児の水痘ワクチン(生ワクチン)定期接種が開始され、子どもの水ぼうそうが減ることで、これが回り回って大人の帯状疱疹を増やしているという指摘もあります。定期接種開始前には身近に水ぼうそうの子どもがいて、過去に水ぼうそうにかかったことのある大人が、子ども経由でVZVに再接触する機会が豊富にありました。そうすることで体がVZVに対する免疫の記憶を思い出し、免疫力が活性化して、体内のVZVが復活しづらくなっていたと考えられています。水ぼうそうの子どもが減るとその機会が減り、帯状疱疹を発症する大人が増える、というわけです。

予防にはワクチン接種が効果的
免疫力を高めることが大切

 帯状疱疹になると、体内で「忘れかけていた」VZVに対する免疫の記憶が急速に回復し、しばらくVZVを抑えつける力が強くなります。この力の持続期間は加齢とともに短くなり、数年後、あるいは数十年後に2回目の帯状疱疹にかかる、ということもあります。一生の間に複数回かかる方も増えるでしょう。
 治療は抗ウイルス薬や鎮痛剤内服などで行います。軽症であれば、きちんと治療することで後遺症(帯状疱疹後神経痛)を残さずに治ります。中等症~重症ですと後遺症を残すリスクが増大し、年単位で痛みに苦しめられる可能性が高くなります。また傷痕を残すことがあり、顔面に生じた場合、整容面で問題が生じます。
 できればかかりたくないものですが、現在は予防策があります。水ぼうそうの子どもと触れ合わなくても、ワクチン(生ワクチン・不活化ワクチンの2種類)接種で、VZVに対する免疫力が上がります(50歳以上が適応です)。1回打てば一生かからない、というものではありませんが、かなり長い期間、発症率を下げてくれます。不活化ワクチンの方は2回接種が必要で、値段が高額(合計4万円以上)という欠点はありますが、効果はきわめて高く長期間の予防が可能です。25年4月から、多くの自治体で助成があるので、ぜひお勧めします(詳しくは、お住まいの自治体のホームページや通知等をご覧ください)。
 帯状疱疹にかかって間もない方から、ワクチン接種したほうがよいのかという質問をいただきます。症状がひどく出ていた方は、かなりVZVに対する免疫力が回復しているであろう一方、軽微で済んだ方はあまり回復しないという可能性もあるようです。発症してからさほど間が空いていなくても接種は可能です。気になる方は、一度ご相談ください。

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