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　1955年に開業した井上病院が、2003年9月に全国で初めて開設したのが、長期の人工呼吸管理と、それにともなう全身管理に特化した「慢性期人工呼吸・Post‐ICU長期人工呼吸センター」。12年に現在地に新築移転し、名称を「平成会病院」と改称。センター開設から19年にわたって蓄積された人工呼吸管理におけるノウハウと高いスキルを身に付けた多職種によるチーム医療により多くの患者・家族を支えている。
　特筆すべきは、病棟全82床に設置された人工呼吸器と生体モニターの情報が、スタッフステーションに設置されたセントラルモニターに全て集約され、リアルタイムにモニタリングが可能であること。自分でナースコールが押せない重症患者も多く、人工呼吸器の接続外れ、血圧や心拍数、酸素の取り込み（経皮的動脈血酸素飽和度）の低下など、問題が生じた際には自動的にアラームが鳴り、セントラルモニターを介してナースコールと看護師のPHSに連動し、24時間即時対応可能で、医療安全面でも万全の体制が確立している。
「人工呼吸と言うと、寝たきり状態をイメージされるかもしれませんが、人工呼吸器を装着したままハードなリハビリを行っている患者さんもいます。また、患者さんが抱えている基礎疾患は多岐にわたりますが、一人一人に最適な治療計画を提案し、人工呼吸器の維持治療だけでなく、人工呼吸器からの離脱を目標とした診療に取り組んでいます」（石谷利光院長）
　同病院のような施設は全国的にも少なく、入院相談など道外からも問い合わせがあるという。また、人工呼吸器を装着している在宅患者のレスパイト入院（介護者の事情による一時的短期入院）にも対応可能で、「お困り事などあれば、ぜひご相談ください」と話す。