がん治療基幹病院として最先端の治療に努める
がん情報ネットワークの構築を推進
2009年4月より同センターは、がん診療拠点病院の中でも、各都道府県で最も中心的な役割となる「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定された。道内では20施設が「がん診療連携拠点病院」の指定をうけているが、同センターはこうした施設を取りまとめ、今後もがん診療の中心的な役割を担っていくこととなった。
がんの診断における大型画像診断機器として、CT3台、MRI(1・5T)1台、血管造影装置2台を有し、またPET画像診断も連携施設と密に連絡を取って実施している。「当施設では年間約3000例の手術を実施していますが、なかでも最近は内視鏡手術の例数が、特に外科・婦人科・泌尿器科・消化器内科などの領域で増えています」と08年4月に新しく就任した西尾正道院長は話す。
放射線治療では、リニアック(高エネルギー放射線装置)3台、リモートアフターローディングシステム(RALS)1台、低線量率密封小線源治療病床を保有し、年間約2万7000件の放射線治療を行い、全国でも屈指の症例数である。また定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度放射線治療も実施している。抗がん剤による治療も盛んに行われ、最近では入院せずに外来で化学療法を行うことが多くなり、外来化学療法室も整備されている。
また、がん診断に欠かせない病理医の診断では、顕微鏡画像を通して離れたところからでもインターネット回線を通して観察できる「テレパソロジー」「テレサイトロジー」を採用し、地域病院の手術中に病理学的助言を行ったり、専門医不在の地方病院の細胞診の診断を行っている。厚労省のがん診療連携拠点病院遠隔画像診断支援事業として、バーチャルスライドシステム機器を導入し、07年から稼働させている。セカンドオピニオン外来もいち早く設置。また「がん相談支援情報室」では5人のスタッフが、がんに関するあらゆる相談に対応し、院内には「がん患者会活動サロン・ひだまり」も設けている。08年5月には全国で初めての試みとなる「がん何でも相談外来」を開設した(毎週月曜午前中)。
緩和ケア診療科を新しく設け、麻酔科医、精神神経科医、がん性疼痛看護認定看護師、緩和ケア認定看護師などの専門スタッフが緩和ケアチームとして入院中の患者のみならず、外来でも診療にあたっている。
「当院の理念として掲げているように、患者さんの権利を尊重し、誠実な医療の実施を心がけています。何かお気づきのこと、ご相談されたいことがありましたら、いつでもお申し出ください」と、西尾院長は話す。
大規模災害拠点病院としての役割も担い、緊急医療に必要な器具や医薬品、保存食の備蓄のほか、医療チームを派遣できる態勢を整えている。また救命救急センターは、道央圏の第3次救急センターとして、24時間の受け入れ態勢を実施している。市民向けの講演会を毎年開催し、また緩和医療患者のQOL推進会を開くなど、がん治療に関する啓蒙・研修活動も積極的に行っている。

